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開発プロセスの標準化に足並みを揃える

初期の標準化はハードウェア抽象化に重点を置いていたが、最新技術はソフトウェア上で構築される。

反復型のソフトウェア開発プロセスにより、より良い製品を、より速くお客様に提供できる。

テスト部門は、競争力を維持するために、標準化された反復型ソフトウェア開発方式に移行する必要がある。

image description標準化は、テスト部門が何十年もの間、目標としてきたことです。 1961年、 RCA(Radio Corporation of America)社のD.B. Dobson氏とL.L. Wolff氏による論文 「Standardization of Electronic Test Equipment(電子テスト装置の標準化)」が発表されました。この論文では、多目的ミサイルシステムのテスト装置の調査および試作で使用する指針、基準、および技術が示されています。

初期の技術標準化では、多くの場合、テストソリューションで使用するテスト装置の種類を、組織全体で制限することを目的としていました。 RCA社が主要目標として掲げ、達成したのが、モジュール式ハードウェアセットの設計および実装でした。 モジュール式ハードウェアにより、装置の再利用率向上、テストソリューションの統合度向上、旧式コンポーネントの削減、および技術の置き換えが促進されます。 セキュリティ要件と急速な変化に対応するため、現在のテスト部門は単なるハードウェアの標準化以上のことを求められています。 現在、ソフトウェアレイヤとその開発手法の両方が注目されています。 テストエンジニアリングチームは、急速に進化する業界でプロジェクトのスケジュールを維持し、製品開発チームに後れを取らないようにするため、反復型ソフトウェア開発の採用および標準化のプロセスを開始する必要があります。航空宇宙/防衛産業におけるテストグループは、大規模な製品や設備の組み合わせを最大50年間運用する場合があるため、保守性と再利用性に優れたテストシステムのメリットを最大限に活用しようとしています。

セキュリティ要件と急速な変化に対応するため、現在のテスト部門は単なるハードウェアの標準化以上のことを求められています。 現在、ソフトウェアレイヤとその開発手法の両方が注目されています。 テストエンジニアリングチームは、急速に進化する業界でプロジェクトのスケジュールを維持し、製品開発チームに後れを取らないようにするため、反復型ソフトウェア開発の採用および標準化のプロセスを開始する必要があります。

標準化のバックボーンとしてのソフトウェア

image description RCA社の論文では、複数の機能コンポーネントとミサイルプログラムによって共有される入出力を識別し、モジュール式ハードウェアシステムの要件を定義するプロセスが示されています。 まとめて対応できる共通要素を識別し、分離するというプロセスが、抽象化の基本となります。 大型計測器の標準化に向けた取り組み、そして商用オフザシェルフ技術への移行によって、VXI、PXI、PXIe、AXIeといったモジュール式ハードウェア規格が多くの業界のテスト部門で採用されるようになりました。 標準のモジュール式ハードウェアプラットフォームでは、電源装置、冷却装置、ユーザインタフェースなどの重複要素をシステム内のシングルポイントに抽象化します。

DSB(Defense Science Board:米国国防科学委員会)の報告書「Design and Acquisition of Software for Defense Systems(防衛システム用ソフトウェアの設計・収集)」では、「兵器システムによって提供される機能の多くは、ハードウェアでなくソフトウェアに由来する。 ハードウェアにより実現する機能からソフトウェアにより実現する機能へのシフトは急速に進んでいる。」と述べています。 最新の計測器では、ますます多くのプロセッサや、FPGAのようなソフトウェア定義のコンポーネントが使用されるようになっています。 こういった最新のテストソリューションを最大限に活用するには、ソフトウェアで計測システムを定義することが必須となってきます。

優れたテストソフトウェアエンジニアリングチームでは、抽象化されたハードウェアよりもさらに有益な、抽象化されたテストソフトウェアを構築しています。 抽象化されたソフトウェアプラットフォームは、特定の機能を実行する複数のレイヤによって構成されます。 このような構成により、他のレイヤを分離し、同じ入出力を維持しつつ、各モジュールを個別に修復およびアップグレードすることができます。 Honeywell Aerospace社のチーフエンジニアであるMark Keith氏は、次のように述べています。「レガシービジネスラインが数多くある場合、ソフトウェアの標準化を行うためには、各グループの歴史に目を向ける必要があります。 抽象化の目的は、旧式のハードウェアを交換する際に、ソフトウェアの変更を最小限に抑える、あるいは不要にすることです。」

「今日の技術変化速度からすると、30年という時間は永遠のように感じられます。今日の業界最高水準のアプローチと、過去の業界最高水準のアプローチとでは、互換性がない場合もあります。」

Honeywell Aerospace社、チーフエンジニア、Mark Keith氏

最新のテスト向けソフトウェア開発

今日の市場では新製品や新機能が続々とリリースされており、テストソフトウェアアーキテクチャを適切に準備するだけでは十分とは言えません。 テストソフトウェア部門では、製造部門およびお客様に対して、迅速かつ柔軟な提供を行うための手法を導入する必要があります。 要求される機能を全て提供するため、現代のソフトウェアエンジニアリングチームは、アジャイルのような継続的かつ反復的なソフトウェア開発手法に移行しています。

DSBの報告書には、次のような記述があります。「反復型開発の主なメリットは、エラーを迅速かつ継続的に検出できること、新しいコードを簡単に統合できること、アプリケーション開発プロセス全体を通じてユーザのフィードバックを取得できることです。 (現在業界標準の手法となった)反復型ソフトウェア開発は、ウォーターフォール型開発では対応できない速度で脅威が目まぐるしく変化する、今日の動的なセキュリティ環境において、米国国防総省(DoD)の活動を支援します。」

反復型開発の標準化

反復型のソフトウェア開発では、組織化されたチームがうまく連携し、ハードウェアプラットフォームやソフトウェアアーキテクチャの抽象化と同じように、概念やタスクを共有し、繰り返すことが重要です

コードベースで連携するチームは、ソースコード管理、ユニットテストフレームワーク、コード解析、作業管理、および実装を行うツールについて合意を取り、標準化する必要があります。 また、サイバーセキュリティの懸念も増しています。 DSBは「ソフトウェアシステムのコードベースを毎日チェックすることで、広範なサイバールールの基本に準拠するために必要な変更の数を、管理可能な範囲にとどめることができます。」と述べています。

「Contracting Strategy for F-22 Modernization(F-22最新化に向けた契約戦略)」の報告書で、米国国防総省の監察総監は次のように述べています。「あるプログラムオフィス責任者によると、米国国防総省は米国の敵国に対する技術的優位性を失うリスクがあり、軍隊に戦闘能力をより速く提供するための革新的な方法を一刻も早く見つける必要がある。」 優れた技術を迅速に市場へ提供するためにテストチームが苦心しているのは、航空宇宙/防衛産業だけではありません。 反復型開発は、複数の産業において、技術開発を加速させるための、実績のある手法です。

テストエンジニアリングチームがハードウェアの標準化や階層ソフトウェアアーキテクチャに重点を置く一方で、研究開発部門は反 復型の製品開発に移行しています。 標準化のあらゆる側面がテスト部門にとって重要かつ有意義なものですが、標準化は改良して、開発におけるエンジニアリング手法と連携させる必要があります。 アジャイルソフトウェア開発の手法を採用しているテスト部門は、このアプローチを利用する準備ができています。

標準化によって高まる価値

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Nicholas Butler

NI 航空宇宙/防衛マーケティング担当

NI Trend Watch 2019:確実な将来の展望を描くためにメガトレンドを見直す

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