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IoTをテストに役立てる

IoTとIIoTにより、テストが複雑化している。

IoT技術により自動テストの課題に対処できる。

エンジニアは、最もビジネス価値の高いユースケースに ついて理解し、注力する必要がある。

image description 半導体から電子サブシステム、そしてインダストリー4.0の中心であるスマートマシンまで、モノのインターネット(IoT)やインダストリアルIoT(IIoT)のシステムはますます複雑化しています。表面的にはわかりませんが、このプロダクトチェーンにおいてテストは非常に重要な役割りを果たしており、IoTデバイスが複雑化すれば、テストも複雑化します。 また、IoTで自動テストを大幅に改善することも可能です。 システム管理、データ管理、視覚化/解析、アプリケーションイネーブルメントなどのIoT機能を自動テストのワークフローに適用することで、テストエンジニアにより適切な機能を供給して、IoTが抱える課題を解決することができます。

テストシステムの管理

デバイスが接続され、管理されていることが、IoTとIIoTの基本です。しかし多くのテストシステムは、分散化が進んでいるにもかかわらず、接続されていなかったり、適切に管理されていなかったりします。 特定のハードウェアで実行中のソフトウェアの追跡や、システムの所在の把握に困難が伴うケースは少なくありません。ましてやパフォーマンス、利用率、健全性の追跡の難しさは言うまでもありません。

幸いなことに、最新テストシステムは多くの場合PCやPXIをベースにしているため、他のエンタープライズシステムに直接接続できます。これにより、ソフトウェア/ハードウェアコンポーネントの管理、利用率の追跡、および予知保全といった追加機能によって、テスト投資の価値を最大限に高めることができます。

データの取り込みおよび管理

image description IoTのビジネス価値は、接続されたシステムによって生成される膨大なデータから得られるものです。 しかし、テストデータの活用は困難を伴います。時間と周波数の未処理アナログ/デジタル波形から、家庭用デバイスや工業用デバイスよりはるかに高いレートと大量のボリュームを収集するパラメトリック計測まで、数々のデータ形式やソースが存在するためです。 さらに、テストデータの保存についてはほとんど標準化されていないため、ほぼサイロ化しています。 その結果、このデータはビジネスにとって「見えない」ものとなり、製品ライフサイクルの他のフェーズで貴重なインサイトを逃してしまうことになります。 Jaguar Land Rover(JLR)社では、総合的なIoTによるデータ管理ソリューションの導入以前、車両テストデータの解析率は10%にとどまっていました。 JLR社のパワートレインマネージャであるSimon Foster氏は、このように述べています。「今では最大95パーセントのデータ解析率を見込んでいます。テストの再実施が不要になったおかげで、テストコストと年間テスト実施回数を減らすことができました。」

IoT機能を自動テストデータに適用するには、まず、標準データ形式を取り込めるように、即使用できるソフトウェアアダプタを用意する必要があります。 アダプタを構築する際には、オープンでドキュメント化されたアーキテクチャをベースとし、設計や製造から得られる非テストデータなど、新しく固有データを取り込めるようにする必要があります。 また、データから得られる価値をエンタープライズレベルで引き出すために、テストシステムは、標準のIoTおよびIIoTプラットフォームとデータを共有できるようにする必要があります。

「近い将来、お客様が当然のごとく世界各国からテスト設備の管理および保守を行うことを求めるようになるでしょう。 IoT技術を統合するには、テストアーキテクチャを再構築する必要があります。特に構成管理やデータ解析を進化させ、インダストリー4.0に向けたビジネスのデジタル化に対応することが求められます。」

Thales社、デジタルインダストリディレクタ、Franck Choplain氏

データの視覚化および解析

テストデータは複雑で多次元的なため、一般的なビジネスアナリティクスソフトウェアを使用することは困難です。 また、一般的なビジネスチャート機能は、 アナログ信号とデジタル信号を組み合わせたグラフ、アイダイアグラム、スミスチャート、コンスタレーションプロットなど、テストや計測で一般的な視覚化に対応していません。テスト指向のスキーマと適切なメタデータにより、ツールでテストデータの視覚化と解析を行い、そのデータを設計/生産データと相関付けることができます。 十分に整理されたテストデータにより、基本的な統計から人工知能や機械学習にいたるまで解析を適用することができます。 これにより、Python、R、The MathWorks, Inc.の MATLAB®ソフトウェアといった一般的なツールを統合して活用するワークフローが可能になり、データからより多くのインサイトを引き出すことができます。

テストソフトウェアの開発、実装、管理

世界は、デスクトップアプリケーションから、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションの拡大に移行しています。 この転換をテストで実現しようとすると困難が生じます。 膨大なデータを処理してリアルタイムで合否判定するには、検査対象デバイス(DUT)で計算する必要があり、ローカルオペレータはテスタとDUTを操作する必要があります。 同時に、企業はテスタにリモートアクセスして、テスト結果や、利用率などの稼働状況を確認したいと考えています。 これに対応するため、一部の企業では1回限定のアーキテクチャを構築してソフトウェアを一元的に管理し、DUTに基づいてテスタにソフトウェアをダウンロードしています。 しかし、そのためには、よりビジネス価値の高いアクティビティに適用できるリソースを追加投入して、カスタムアーキテクチャを保守しなくてはなりません。

ハイレベルのテスト管理は、ローカルテスタからクラウド実装に移行しやすい、格好の候補と言えます。 Webベースのツールにより、テスタのステータスの表示、テストのスケジューリング、およびクラウドまたはサーバに移されたテストデータの確認ができます。 ハイレベルの管理機能は、NIのLabVIEW、Microsoft .NET言語、NIのTestStand、Pythonといった一般的なツールで構築された既存のテストシステムを補完します。 モジュール式のテストソフトウェアアーキテクチャ(テスト管理、テストコード、計測IP、計測器ドライバ、ハードウェアの抽象化レイヤ)を使用することで、企業はローカルからサーバまたはクラウドベースへ移行する際に、異なるソフトウェア機能のトレードオフを評価することができます。 テストソフトウェアスタックの多くをクラウドに移行すれば、データストレージ、スケーラブルなコンピューティング、どこからでもソフトウェアとデータに簡単にアクセスできるというクラウドコンピューティングのメリットを実感できることでしょう。

IoTをテストに活用する

IoTをテストに活用することは、未来に向けたアイデアではなく、今すぐ実行に移せるソリューションです。 企業がこれを実現できるかどうかは、既存の自動テストインフラストラクチャと喫緊のビジネスニーズによります。 一般に検討すべき領域としては、テストシステム管理の改善、テスト装置の利用率の向上、テストデータからの優れたインサイトの取得、および共有テストシステムへのリモートアクセスが挙げられます。 モジュール性に優れたソフトウェア定義のアプローチでは、全か無かのような決断を迫られることなく、最も価値の高い領域に注力することができます。

自動テストに向けたコネクテッドインテリジェンス

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Mike Santori

NI ビジネス/テクノロジフェロー

MATLAB®はThe MathWorks, Inc.社の登録商標です。

NI Trend Watch 2019:確実な将来の展望を描くためにメガトレンドを見直す

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